メタボリック症候群、中医学では？

何かと話題のメタボリックシンドロームですが中医学でも千年以上前から似たような考え方があり、対処法もあるのです。メタボリックシンドロームを日本語で言うと「代謝異常症候群」です。

代謝異常とは何でしょう？
中医学で考えると、五臓、「肝、心、脾、肺、腎」のバランスの崩れです。そして、もうひとつ大切なことがあります。メタボリックシンドロームでは、体に老廃物がたまっているということです。代謝のバランスが崩れた結果、老廃物が発生、蓄積しているのです。中医学的な言い方をすれば、五臓がバランスを崩したことにより、痰やお血が発生した病態と言えるのです。（お血＝うまく利用できない血液、痰＝うまく利用できない水分、現代医学で言う中性脂肪、コレステロール、様々な老廃物を含む概念です）そしてこの老廃物の蓄積の延長に蓄積型の、糖尿病、高血圧、高脂血症、脂肪肝、痛風などがあると考えています。（中医学では、これらの病気であっても、すべて老廃物の蓄積だけで起こるとは限りません）西洋医学では別々の病気なのですが、中医学では根本的に、原因は同じ と考えています。現代医学的に見ても、これらの病気を併発されている方は多いと思います。高血糖、高脂血証、高血圧など、見えている検査数値は氷山の一角で、その下には「代謝異常＝五臓のバランスの崩れ」という膨大なバックグランドがあるのです。つまり、この「代謝異常＝五臓のバランスの崩れ」の状態が続いた結果、高血糖、高脂血証、高血圧などの症状が出てきていると言えます。

中医学では これらの症状が出ても対処はできますが、一番得意なのは、この「代謝異常＝五臓のバランスの崩れ」の段階で五臓のバランスを整えることなのです。問題は老廃物の蓄積なのです。中医学では五臓のバランスをとることで、老廃物の発生を おさえることにも、目をむけます。そうすることにより、その延長にある、成人病を予防できると考えています。もちろん氷山の一角である症状を抑える力は西洋医学の方が強いです。しかし、まだ症状が軽い、自覚症状はあるけれど西洋医学では治療の対象となっていない、またはしっかり予防をしたい、原因から改善したいという方は、中医学の考えに触れてはいかがでしょうか。