行政刷新会議の事業仕分けで医療用漢方薬の保険適用が見直し対象になったことについて、日本東洋医学会など4団体が1日、保険適用維持を求める要望書と約27万4000人分の署名を長妻厚労相に提出した。
同学会などは、医師の7割が漢方薬を使用しているが、保険診療と保険外診療との混合診療が原則禁止されているため、保険外になれば、医療用漢方薬は病院で処方できなくなると指摘。同学会の寺沢捷年会長は要望書提出後の記者会見で「漢方薬は専門性が高く、医師が扱う必要がある。西洋医学と組み合わせることで医療上のメリットも大きい」と訴えた。
一方、長妻厚労相はこの日午前の閣議後記者会見で「保険をいきなり外すことには私自身としても疑問がある」と述べた。
「漢方の保険適用継続を」=関連学会が署名提出−厚労省
行政刷新会議による事業仕分けで、漢方薬を医療保険の対象から外すとの結論が出されたことを受け、日本東洋医学会(寺沢勝年会長)など4団体は1日、保険適用継続を求める27万3636人分の署名を厚生労働省に提出。「国民の健康を守るため、保険適用が必要」と訴えた。 記者会見した漢方医らは「細分化された西洋医学に比べ、漢方は体全体の不調を治すのが得意」と強調。多くの医師が漢方薬を治療に用いているが、保険から外されれば自由診療扱いとなり、事実上処方できなくなるとした。
<漢方薬>4団体が「保険適用」継続求め署名
政府の行政刷新会議の事業仕分けで、漢方薬を保険適用の対象外とする方針が示されたことに対し、日本東洋医学会(寺沢捷年会長)など4団体は1日、保険適用継続を求める約27万人分の署名を、厚生労働省に提出した。「医師の約7割が漢方薬を使っており、保険外しは重要な治療手段を奪う」と指摘している。
事業仕分けでは「薬局で市販されているなら、医師が処方する必要性に乏しい」との理由で、漢方薬や湿布薬、うがい薬などは医療保険から外すとされた。
長妻昭厚労相は1日の閣議後会見で「患者の負担も増える話で、(保険から)ただちに外すのは疑問がある。要望などを見て判断したい」と述べた。
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