厚生労働省・感染症サーベランス事業により、全国約5,000のインフルエンザ定点医療機関を受診した患者数が週ごとに把握されています。 過去の患者発生状況をもとに設けられた基準値から、保健所ごとにその基準値を超えた場合に、注意報レベルや警報レベルを超えたことをお知らせする仕組みになっています2011年第5週のインフルエンザの定点当たり報告数は28.93(患者報告数143,035)となり、前週である第4週の報告数(31.88)よりも減少した。定点医療機関からの報告をもとに、定点以外を含む全国の医療機関をこの1週間に受診した患者数を推計すると約155万人(95%信頼区間:142万人〜168万人)となり、年齢群別では5〜9歳約34万人(21.9%)、0〜4歳約22万人(14.2%)、10〜14歳約21万人(13.5%)、30代約20万人(12.9%)、20代約18万人(11.6%)の順であった。50代以下の各年齢層で減少がみられ、特に20代が前週の24万人から大きく減少した。 都道府県別では長崎県(44.13)、宮崎県(42.28)、群馬県(41.22)、福岡県(40.90)、富山県(37.88)、愛知県(37.79)、神奈川県(37.53)、埼玉県(36.81)、新潟県(35.46)、大分県(33.31)の順である。定点当たり報告数は、これまで流行の大きかった九州地方や関東地方をはじめ33都府県で減少がみられており、今シーズンの流行のピークは過ぎつつあるものと思われる。 警報レベルを超えている保健所地域は273箇所(44都道府県)と増加し、注意報レベルのみを超えている保健所地域は245箇所(44都道府県)と減少した。 2011年第1〜5週の5週間のインフルエンザウイルス検出報告件数は、AH1pdmが最多であり、次いでAH3亜型(A香港型)、B型の順である。今シーズンは第36週以降AH3亜型が多く検出される状態が続いていたが、第49週以降はAH1pdmの検出数の方が多くなっている。
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