【別 名】…薯蕷(しょよ)
概 要 ●ヤマノイモ科ナガイモの周皮を除いた根茎を乾燥したもので、でんぷん、ステロイドなどを含有します。強壮、強精、胃潰瘍、食欲不振、糖尿など幅広く効果をあらわします。
【基原(素材)】…ヤマイモ科ヤマイモまたはナガイモの根茎です。食用にするものと同じです。中国産;ヤマノイモ科ナガイモの根茎の外皮を除去して乾燥したもの日本酸;ヤマノイモの根茎の外皮を除去して乾燥したもの一般名は、自然薯(じねんじょ)のことです。
※中医学の薬性理論の大きな柱となるのが次に掲げる「性・味・帰経」で、いずれも生薬の効能効果と関連があります。
【温寒】… 平 ※性:生薬はその性質によって大きく「寒・涼・平・熱・温」に分かれます。例えぱ、患者の熱を抑える作用のある生薬の性は寒(涼)性であり、冷えの症状を改善する生薬の性は熱(温)性です。寒性、涼性の生薬は体を冷やし、消炎・鎮静作用があり、熱性、温性の生薬は体を温め、興奮作用があります。 【補瀉】… 補 【潤燥】… 潤 【升降】… 升 【散収】… 収 【帰経】…脾・肺・腎 ※帰経とは生薬が体のどの部位(臓腑経絡)に作用するかを示すものです。
【薬味】…甘 まず脾に入ります。 ※味とは薬の味のことで「酸・苦・甘・辛・鹸」の5種類に分かれます。この5つの味は内臓とも関連があり、次のような性質があります。 「酸」(酸味)=収縮・固渋作用があり、肝に作用する。 「苦」(苦味)=熱をとって固める作用があり、心に作用する。 「甘」(甘味)=緊張緩和・滋養強壮作用があり、脾に作用する。 「辛」(辛味)=体を温め、発散作用があり、肺に作用する。 「鹸」(塩味)=しこりを和らげる軟化作用があり、腎に作用する。
【薬効】…滋養作用 強壮作用 止瀉作用
【薬理作用】…糖尿病を治す作用。
【用 途】…滋養、強壮、止瀉薬として応用する。また、民間では夜尿、遺精、盗汗などに用いる。 |