【基原(素材)】…キンポウゲ科オウレンまたは近縁植物の根茎の髭根を除いた根茎を乾燥したもの。
※中医学の薬性理論の大きな柱となるのが次に掲げる「性・味・帰経」で、いずれも生薬の効能効果と関連があります。
【温寒】… 寒 ※性:生薬はその性質によって大きく「寒・涼・平・熱・温」に分かれます。例えぱ、患者の熱を抑える作用のある生薬の性は寒(涼)性であり、冷えの症状を改善する生薬の性は熱(温)性です。寒性、涼性の生薬は体を冷やし、消炎・鎮静作用があり、熱性、温性の生薬は体を温め、興奮作用があります。 【補瀉】… 瀉 【潤燥】… 燥 【升降】… 降 【散収】… 収 【帰経】…心・肝・胃・大腸 ※帰経とは生薬が体のどの部位(臓腑経絡)に作用するかを示すものです。
【薬味】…苦 まず心に入ります。 ※味とは薬の味のことで「酸・苦・甘・辛・鹸」の5種類に分かれます。この5つの味は内臓とも関連があり、次のような性質があります。 「酸」(酸味)=収縮・固渋作用があり、肝に作用する。 「苦」(苦味)=熱をとって固める作用があり、心に作用する。 「甘」(甘味)=緊張緩和・滋養強壮作用があり、脾に作用する。 「辛」(辛味)=体を温め、発散作用があり、肺に作用する。 「鹸」(塩味)=しこりを和らげる軟化作用があり、腎に作用する。
【薬効】…解熱作用 消炎作用 健胃作用
【薬理作用】…トリコモーナスに対する抗生作用が知られています。 動物実験で、降圧作用が認められました。 黄連の50%エタノールエキスは、グラム陽性菌−陰性菌のある種のものに対して低濃度で制菌作用がある。また黄色ブドウ球菌増殖阻止作用があるが、大腸菌に対しては無効 である。一方含有成分の berberineの抗菌作用は腸内細菌群に対しサルファ剤とを同程度の増殖阻止作用が認められた。また、黄連エキス及びberberine は、摘出小腸に対し鎮攣作用、摘出腸管・子宮に対し緊張作用、胆汁及び膵液分泌促進作用、動脈硬化に対する予防効果、抗炎症作用などが認められている。
【用 途】…消炎苦味健胃鎮静薬として、充血または炎症があって、心中煩し、悸し、精神不安、心下部の痞え、吐下、腹痛、出血などの症状をあらわすものに応用する。
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