【別 名】…竜眼、リュウガン
概 要 ●竜眼の実はレーズンに少し似ており他のドライフルーツと同じようにケーキやライスプディングといった料理に加えてもおいしいです。 ●中国医療では少なくとも2000年前から竜眼の実は老化の徴候に対処する生薬としてまた出産後の強壮薬として使用されています。竜眼は不眠症や疲労、めまいの治療にも用いられています。この中国名は"竜の目の肉"という意味です。 ●竜眼の果肉でショ糖、有機酸、窒素酸化物などを含有します。滋養強、,神経の興奮を鎮めリラックスし、物忘れや不眠症状、病中病後の体力回復に効果をあらわします。
伝統的薬能 ・心と脾を強壮にし、精神を鎮める。 ・血に滋養を与える。
【基原(素材)】…ムクロジ科リュウガンの果肉。
※中医学の薬性理論の大きな柱となるのが次に掲げる「性・味・帰経」で、いずれも生薬の効能効果と関連があります。
【温寒】… 温 ※性:生薬はその性質によって大きく「寒・涼・平・熱・温」に分かれます。例えぱ、患者の熱を抑える作用のある生薬の性は寒(涼)性であり、冷えの症状を改善する生薬の性は熱(温)性です。寒性、涼性の生薬は体を冷やし、消炎・鎮静作用があり、熱性、温性の生薬は体を温め、興奮作用があります。 【補瀉】… 補 【潤燥】… 平 【升降】… 降 【散収】… 収 【帰経】…心・脾 ※帰経とは生薬が体のどの部位(臓腑経絡)に作用するかを示すものです。
【薬味】…甘 まず脾に入ります。 ※味とは薬の味のことで「酸・苦・甘・辛・鹸」の5種類に分かれます。この5つの味は内臓とも関連があり、次のような性質があります。 「酸」(酸味)=収縮・固渋作用があり、肝に作用する。 「苦」(苦味)=熱をとって固める作用があり、心に作用する。 「甘」(甘味)=緊張緩和・滋養強壮作用があり、脾に作用する。 「辛」(辛味)=体を温め、発散作用があり、肺に作用する。 「鹸」(塩味)=しこりを和らげる軟化作用があり、腎に作用する。
【薬効】…滋養作用 強壮作用 補血作用 鎮静作用 抗真菌作用
【用 途】…鎮静、滋養強壮薬として驚悸、健忘、失眠などの症に応用する。
【学 名】…Dimocrapus longan
【出典】…神農本草経 【三品分類(中国古代の分類)】… 神農本草経や名医別録などでの生薬分類法 中品(保健薬)
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