緊張型頭痛は男女ともに多くみられる、首や肩のこりを伴う頭痛です。首、肩、背中の筋肉が緊張して血液循環が悪くなり、たまった疲労物質が神経を刺激して起こる。長時間のデスクワークや猫背など姿勢の悪さ、精神的なストレスなどが原因になります。
緊張型頭痛では、原因が筋肉の緊張であれば筋弛緩薬などが有効ですが、精神的なものが原因の場合は心療内科などで薬を処方してもらうとよいでしょう。また、これまで述べてきた対処法や治療ではよくならない緊張型頭痛の中には、頸部ジストニー(痙性斜頸)と診断される、首から肩の特定の筋肉が異常に持続収縮している状態のことがあります。この頸部ジストニーの場合は、トリヘキシフェニジルなどの薬を服用したり、収縮している筋肉にボツリヌス毒素製剤を注射して緊張をゆるめることで、多くの場合効果がみられます。専門医に相談されるとよいでしょう。
【緊張型頭痛の主な特徴】
・寒くて体が冷えるときなどに痛む ・入浴したり運動したりすると痛みが軽くなる ・首や肩のこり、背中のはり、目の疲れなどに伴って起こる ・緊張やストレス、疲労で悪化しやすく、休養やリラックスによってよくなる ・頭全体または後頭部が重苦しい感じ、こめかみが締めつけられるような痛みが続く
【緊張型頭痛の対処法と予防】
・長時間同じ姿勢を続けない ・ストレスは早めに解消する ・こまめに体操やストレッチをして肩や首の筋肉をほぐす ・入浴したり、蒸しタオルやホットパックを肩や首に当てて温める
緊張型頭痛の症状が軽いものなら、市販の頭痛薬で様子をみて問題ありませんが、痛みで家事や仕事に支障が出ている場合は、頭痛外来や神経内科を受診するほうがよいでしょう。 |