■ 更年期障害はホルモンバランスの崩れが原因
更年期とは、45〜55、6才までの約10年間、早い人で、30代から始まります。 今まで周期的にあった生理が、徐々に不規則になってきます。期間があいたり、量が少なかったり、又、生理があっても無排卵だったりします。そして、生理が完全になくなり、閉経となります。卵巣の働きが衰えるのに伴ってホルモンのバランスが乱れてきます。卵巣からのホルモン分泌が低下するのに対して、下垂体からの卵胞刺激ホルモンが増加します。これによってホルモンがアンバランスになり、様々な症状が表れます。これが更年期障害と呼ばれています。
■ 更年期のホルモンの変化
右のグラフで分かるように35才を過ぎたころから卵胞ホルモンの分泌量は徐々に 減少していきます。逆に卵胞刺激ホルモンは増加しています。
■ ホルモンのバランスが崩れるのはなぜ?
更年期には卵巣の老化によりFSH*が上昇します。 また、若いのにFSHが高い場合は、不妊治療により卵胞が過剰に刺激されるので卵巣に老化現象がおこります。 ★一寸難しいですがお付き合い下さい。
加齢に伴い卵巣の機能が衰え、血中のエストロゲンの量が少なくなります。視床下部はエストロゲン*の量をチェックして「エストロゲンの量が足りない」と判断し、GnRH*を分泌します。これを受けて脳下垂体からFSH*が分泌され、卵胞からエストロゲンを出そうとしますが、既に高齢で卵胞は弱っているためにエストロゲンを出すことができません。
視床下部は「エストロゲンを出すように命令を出したのにエストロゲンが増えていない。」と判断し、もう一度命令を出します。(GnRHを分泌します。)しかしエストロゲンを出す機能が衰えているためいくら命令がきてもエストロゲンを出すことはできません。視床下部は「なぜ命令しているのに増えないのだろう?」と思いながら、命令を出し続けます。(GnRHを分泌し続けます。)
その結果、GnRHは増加する一方でエストロゲンは増加しないというホルモンのアンバランスが起こります。このホルモンのアンバランスが更年期障害の原因と考えられています。
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