【別 名】…ツルドクダミ
概 要 ●タデ科ツルドクダミの塊状根を乾燥したものでアントラキノン、タンニン、他を含みます。強壮薬、腰膝の疼痛、遺精、白毛などに応用します。 ●何首烏(欧米ではその広東語名から"FoTl"としても知られています)は、腎臓や肝臓のエネルギー補充を助ける重要な血の強壮薬です。 この中国名は"黒髪のミスターHe"という意味で、おそらく、昔から若白髪を黒く戻すために使用されることに関係しているでしょう。 ●中国では8世紀から治療薬として使用され、713年に書かれた本草書に初めて登場しました。
伝統的薬能 ・肝と腎の精を補充し、血を滋養する。 ・火毒を解毒する。 ・外風を排除する。 ・腸をなめらかにする〔緩下剤効果)。
【基原(素材)】…タデ科ツルドクダミの塊状根。
※中医学の薬性理論の大きな柱となるのが次に掲げる「性・味・帰経」で、いずれも生薬の効能効果と関連があります。
【温寒】… 温 ※性:生薬はその性質によって大きく「寒・涼・平・熱・温」に分かれます。例えぱ、患者の熱を抑える作用のある生薬の性は寒(涼)性であり、冷えの症状を改善する生薬の性は熱(温)性です。寒性、涼性の生薬は体を冷やし、消炎・鎮静作用があり、熱性、温性の生薬は体を温め、興奮作用があります。 【補瀉】… 補 【潤燥】… 平 【升降】… 升 【散収】… 収 【帰経】…肝・腎 ※帰経とは生薬が体のどの部位(臓腑経絡)に作用するかを示すものです。
【薬味】…苦 まず心に入ります。 ※味とは薬の味のことで「酸・苦・甘・辛・鹸」の5種類に分かれます。この5つの味は内臓とも関連があり、次のような性質があります。 「酸」(酸味)=収縮・固渋作用があり、肝に作用する。 「苦」(苦味)=熱をとって固める作用があり、心に作用する。 「甘」(甘味)=緊張緩和・滋養強壮作用があり、脾に作用する。 「辛」(辛味)=体を温め、発散作用があり、肺に作用する。 「鹸」(塩味)=しこりを和らげる軟化作用があり、腎に作用する。
【薬効】…滋養作用 強壮作用
【薬理作用】…特に皮膚の栄養を高める。抗高脂血症、肝障害抑制作用。 抗菌、心臓機能改善、ホルモン作用、緩下剤、血糖値を上げる、肝臓刺激、血中コレステ□一ル値を下げる。
【用 途】…強壮、強精、補血、瀉下薬として精血の不足、腰膝の疼痛、遺精、帯下、白髪などに応用する。
【学 名】…Polygonum multiflorum |