概 要 ●根を乾燥したものでフラボノイド、サポニンを含有し、止汗、利尿、強壮に効果をあらわします。 ●さらに血圧降下作用、疼痛効果をあらわします。
【基原(素材)】…マメ科キバナオウギまたは同属植物の根。
※中医学の薬性理論の大きな柱となるのが次に掲げる「性・味・帰経」で、いずれも生薬の効能効果と関連があります。
【温寒】… 微温 ※性:生薬はその性質によって大きく「寒・涼・平・熱・温」に分かれます。例えぱ、患者の熱を抑える作用のある生薬の性は寒(涼)性であり、冷えの症状を改善する生薬の性は熱(温)性です。寒性、涼性の生薬は体を冷やし、消炎・鎮静作用があり、熱性、温性の生薬は体を温め、興奮作用があります。 【補瀉】… 補 【潤燥】… 中 【升降】… 升 【散収】… 中 【帰経】…脾・肺 ※帰経とは生薬が体のどの部位(臓腑経絡)に作用するかを示すものです。
【薬味】…甘 まず脾に入ります。 ※味とは薬の味のことで「酸・苦・甘・辛・鹸」の5種類に分かれます。この5つの味は内臓とも関連があり、次のような性質があります。 「酸」(酸味)=収縮・固渋作用があり、肝に作用する。 「苦」(苦味)=熱をとって固める作用があり、心に作用する。 「甘」(甘味)=緊張緩和・滋養強壮作用があり、脾に作用する。 「辛」(辛味)=体を温め、発散作用があり、肺に作用する。 「鹸」(塩味)=しこりを和らげる軟化作用があり、腎に作用する。
【薬効】…強壮作用 滋養作用 皮膚の栄養を高める作用 補気升陽作用 排膿作用 固表止汗作用 利水消腫作用 利尿作用
【薬理作用】…盗汗・汗かきにはなくてはならない生薬。水浸液、70%エタノールエキス、エタノールエキスを実験動物に静脈投与すると血圧降下作用が認められた。また、煎液を皮下投与すると利尿作用が認められた。
【用 途】…止汗、利尿、強壮薬。肌表の水毒を去る効があるとして、自汗、盗汗、体腫、痳痺、疼痛、小便不利などに応用する。 |